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2008.05/30(Fri)

テキトークラフトマン 『The定番服② ギャングオブ トレンチコート』

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今回は老若男女、誰も着用経験のあるトレンチコートについて語っていきます。

~歴    史~

トレンチコートのブランドと言えば、この二つのブランドを思い浮かべる、
             
「バーバリー(BURBERRY)」「アクアキュータム(Aquascutum)」

バーバリーの創業者であるトーマス・バーバリーは、夏にでも着用できる薄い服地を探していた。彼は農夫が着ていたリネンに目を付け、リネンより安いコットンでギャバジンを織ることにした。糸の段階で防水をして、ギャバジンに織り上げた後で再度防水加工を施す方法を考え出し、理想に近いレインコート用の服地を作り出す。現在,織物の一般名称になってしまった「ギャバジン」は同社の登録商標である。1911年に第一次世界大戦が勃発し、塹壕(トレンチ)で激しい戦闘が繰り広げられるのを見て、ボタンがなく紐で括るタイロッケンコートに改良を加え、トレンチコートを完成させた。

1851年にロンドンのリージェント.ストリートに小さな高級紳士服店をオープンしたのが、アクアスキュータムである。1853年に、抜群の防水性を持つウール服地を開発。ラテン語で防水という意味を持つ「アクア(水)スキュータム(盾)」という名前がつけられた。第一次世界大戦時は塹壕戦が激しくなり,軽くて、雨を通さず、暖かいコートが要求された。アクアスキュータムはこれにこたえて数多くのトレンチコートを供給してきた。

上記のトレンチコートが世界中に広まるのは、映画「カサブランカ(Casablanca 1942年)」でハンフリー・ボガート(Humphrey Bogart) が着用していたことが最初のきっかけだった。
                          
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その後、1940年代アメリカ映画のハードボイルド・スターとして確固たる地位を築いた、ハンフリー・ボガードの黒いソフト帽にトレンチコートが姿が強烈な印象を与えた。当時の若者たちが、トレンチコートに憧れた時代だが、戦後の混乱期のため流行ったという記述はどこにも見つからない。
アメリカ映画界では、1940年代から50年代にかけて暗黒のムードと謎めいたトーンに彩られたフィルム・ノワールが流行した。

※フィルム・ノワールの世界はたとえ男と女が最後に結ばれることがあっても、バラ色の人生からは程  遠い暗い人生という意味。

1969年から70年頃、メンズの代表的アイテムのトレンチは、意外にも女性用のマキシ丈のトレンチ型コートが流行した。1988年頃からレザーブームでトレンチコートが流行した。
 
※その後、ショート・トレンチコートは定着した。

トレンチコートと黒いサングラスは、非情な殺し屋の衣装としても数多く用いられているが、実際にアメリカでコロンバイン高校内で生徒を虐殺した容疑者は、スキーマスクとトレンチコートを着ていた。
どちらも「トレンチコート・マフィア」として知られ ている「孤立者たち」の密接に結び付いたグループのメンバーであった。ギャングとかマフィアのダーティなイメージが強い。
「探偵物語」の懐かしいシーンがCMで流れている松田優作も日本のハードボイルド・スター。その頃がエコノミック・アニマルな時代であり、1988年頃がバブル全盛とトレンチコートの流行は、浮ついた経済と深い関わりがある。
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情に流されず、タフなイメージが、トレンチコートの過去のイメージだったが、最近では女性の必須アイテムになりつつある。 

~デザイン特徴~          
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トレンチコートのデザインは軍服だったことから、現代のデザインとして意味をなさないものが多くある。

①肩章(エポーレット)
かつては将校の地位を表すバッジをつけていたエポーレット。それだけではなく双眼鏡のストラップを通して固定するためについている。
               
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②ガンフラップ   
第一次大戦時にはライフル銃の銃床を支え、撃った時の衝撃から体を守るた めのものだったガンフラップ。
             
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③チンストラップ   
文字通りアゴを暖める役割を果たしている。

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④腰ベルト      
ウエスト位置で絞めるベルトには、ナイフや手榴弾、水筒などの装具をを下げるためのD字型の金属リングが6個付けられている(写真では付いてない)                             現在では装飾的な意味が強い。

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⑤カフ・ストラップ  
コートの袖口には細いベルトがつけられているが、思い切り絞め上げると袖口から入ろうとする雨水を完全にシャットアウトしてくれる。
             
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⑥ストームポケット 
ストームポケットの中に水が入るのを防ぐためのフラップがボタンでかけられるようになっている。

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⑦ケープ・ドバッグ
ケープド・バックと呼ばれる雨が最も当たる背中上部のケープ状のヨークが二重になっていて、防水の役割を果たす。

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以上がトレンチコートの伝統的なデザインであるが、ひとつひとつが有名なディティールであるために一部だけが取り入れられていることも多々ある。

~新しいトレンチコート~

去年から、チュニックやワンピースの流れから袖に変化を加えたりなど、新しいトレンチコートが増えてきている。

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本来のデザインは生かされていないが、トレンチコートそのものの雰囲気をアレンジすることでコーディネートの幅が広がっている点では、面白いデザインである。

~ま と め~

皮肉なことに、トレンチコートは戦争が生んだものでした。トレンチコートに留まらず、他のデザインでも戦争が関係していることが多くあります。戦争とは、経済を豊かにする側面もあるようです。

トレンチコートは、映画など影響から服のイメージが定着していきましたが、次第にディティールをアレンジすることで遊び心を表現するようになってきています。不思議なことに、一部のディティールを用いることでトレンチコートを連想させるのですから、その力は絶大だと感じます。

時に、完成されたデザインを生かしながら、アレンジするのはとても困難であるといいますが、本当の
ディティールの意味や時代背景を理解し、現代に必要な機能的なものを加えていくことでホンモノの定番服が生まれるのではないでしょうか?

それでは、今日はゴッドファザーの愛のテーマでお別れです。

次回も楽しみにしてくださいね。
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本業はコチラ → 「誇りある服作りへの扉」 アトリエ ル*オペラ
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